設立趣旨

 定常近赤外光を使った脳機能計測(functional near-infrared spectroscopy, fNIRS)装置が近年普及している。 しかし、多くのユーザーには、いわゆるチャンピオンデータとして技術報告等で示されるほどの品質のデータが得られない現状がある。 また、市販のfNIRS装置の技術特性を知らずに誤った研究デザインやデータ解釈がなされてしまう例も少なくない。
 こうした現状を打開するためには、1 メーカー側が利用の実情やニーズを理解すること、2 ユーザー側が現状の技術的限界を理解すること、3 さらに、メーカーとユーザー間の相互理解に基づいて、こうした限界を克服するための新規な技術・研究法について議論すること、などが必要である。
 この研究会では、議論を通じて、まず現状のfNIRS計測技術の技術特性と正しい利用法についての共通認識を確立していくことを第一の目的とする。 さらにMRI, EEG等の、他の脳機能計測・解析技術の現状、脳機能信号の神経学的解釈をめぐる近年の知見も概観し、 これらを通じて、次世代のfNIRS計測技術に求められる要件、データ形式の共通化やデータ解析プラットフォームの整備の可能性についても積極的に議論していく。